海潮は島根県雲南市にあり、「神楽といで湯の郷」として知られる地区です。初夏にはホタルが舞い、多くの観光客が訪れます。出雲国風土記に記載のある海潮温泉は薬効豊かな名湯で、その源泉を引いた公共浴場の桂荘は多くの方に利用されています。日本初の宮の須我神社、棚田百選に選ばれた山王寺の棚田、ため池百選に選ばれた沢池、神話のふるさと出雲神楽など、自然と魅力がいっぱいです。この地域で、市民と行政による協働のまちづくりを担っているのが海潮地区振興会です。

見どころ紹介

海潮温泉

出雲国風土記(733年)によると「須我(すが)の小川の湯淵の村の川中に温泉あり」と、記され、この時代から海潮温泉は、こんこんと湧く名湯であったとうかがえます。また江戸期にも松平綱近公が海潮温泉に入浴されたときの様子が「雲陽誌」の中で紹介されています。
1300年にもわたる歴史をもつ海潮温泉は今までも、これからも多くの人々の生活に潤いを与え、明日への活力を与えてくれる温泉なのです。

山王寺の棚田

山王寺の棚田は、平成11年「日本の棚田百選」に認定されました。
雲南市大東町の北東部標高300mの山腹に位置し、面積19ha、棚田数約200枚を有し、地区の農家により守られています。秋には波打つ穂波が圧巻です。棚田を一望できる展望台からの眺めは絶景。条件が整えば早朝には雲海が鑑賞できます。また雪の棚田も被写体として人気があります。
1年を通じての稲作体験や棚田祭りなどの取り組みも進められています。

海潮神楽

「古事記」「日本書紀」などの日本神話の中に出雲神話は語られています。その出雲神話の舞台にもなっている雲南市で長い伝統を受け継ぐ神楽が「海潮神楽」です。今は閉校してしまいましたが、地元海潮中学校には神楽部があり、若い世代が神楽に親しみ、文化を継承しています。県の無形民俗文化財に指定され、様々な地域で神楽奉納を行っています。力強い太鼓と笛の音に誘われて、あなたも神楽の世界に浸ってみませんか。

大出日山

雲南市と松江市の境に位置する大出日山は標高約600Mでふもとから約1時間程度の登山で頂上に達します。登山道は有志によって定期的に草刈りがなされています。登っていくとブナの林、葛、栗の木など様々な樹木、花々を楽しむことができます。頂上からは松江市、大山などが一望でき、雄大な眺めは登山の疲れをいやしてくれます。しっかり準備を整えて登れば、心も体も健康になって下山できることでしょう。

須我神社

「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を」
という歌は三十一文字の歌としても日本で一番古い歌であり、この地が「和歌発祥の社」と呼ばれる由縁です。ここは、古事記・日本書紀に記載されている「須賀宮(すがのみや)」であり、日本初之宮(にほんはつのみや)と言われます。本宮・奥宮と分かれており、最近のパワースポットブームにあやかって、二宮詣りをする方も多くみられます。

うしおの沢池

海潮の山王寺地区にあるため池であり、周辺の田畑を潤しています。池底からは湧水が湧き出ています。大蛇伝説の言い伝えが残り、沢池のある山王寺地区では島根県無形文化財の一つである神楽が舞われています。標高360mの高台にあり、眺めも良いことから、子供たちの遠足の目的地や、観光地として訪れる人々もいます。周辺には山王寺の棚田もあります。鳥の楽園でもあり、沢池を天気の良い日に訪れると様々な種類の鳥たちが羽を休めに来るのを見ることができます。

日原神社・カツラの巨木

「出雲国風土記」に記される日原神社です。一般道から少し離れ、ひんやりとした空気の中にたたずんでいます。境内樹齢100年を超えるカツラの巨木(国天然記念物)に覆われ、数十本もの幹が上に向かって伸びているさまは、荘厳な雰囲気を醸し出しています。天候の具合で、周囲の樹木や景観を映し出す鏡のような岩石があることから、「鏡の宮」とも呼ばれています。カツラの巨木はほんのわずかな間だけ、小さな赤い美しい花を咲かせます。その花を見るのも楽しみの一つです。